なによりも自分のためのブログ

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高速化こそが質を高める

速さと質は対極の概念というのが一般的な考えであると思う。速さを重視すれば、ミスが多くなって質が低下する、質を重視すれば、細部まで丁寧に配慮しなければならないためどうしても時間がかかる、というものだ。しかし、本当にそうであろうか。今回は速さと質の選択のジレンマに対して「やる気」という切り口から考察したい。

 

 

人は「前進」を感じるとやる気が高まる

仕事であれ、勉強であれ、趣味であれ、自分自身の進歩を感じる瞬間がある。読書をとりあげると、数百ページに及ぶ書籍を読み進めていくうちに、あるとき自分がいつのまにか半分以上を読み終えていることにふと気付く。読み進めてめくったページ数の多さ、その厚さを見て、自分が「前に進んでいる感覚」を得る。すると、ある種の達成感を得て、本を読むことに対するやる気が高まり、その後の読書を続ける原動力となる。このように、本の内容の理解度とは別に単に「前に進んでいる感覚」、「こなしている感覚」といった「前進感」がやる気を高めてくれる。

 

 

高速化により「前進感」を感じることができる

拙速という言葉がある。速いが質は低いということだ。そしてこれはネガティブな捉え方をされていると思う。しかし、作業をしている本人は「前進感」を感じている。人は、ただ何かを進めているという感覚を味わうだけでやる気が出てくる。速く作業が進めば進むほど、その結果できた資料の多さや考えたことの多さを感じることができる。もちろんそれらのアウトプットの質は必ずしも高くはないであろう。だが、やる気があればその作業や仕事、勉強などを継続してやろうという心理も働きやすくなる。

 

 

拙速の継続が質を担保する

質の低さという問題点は、継続や反復によって解決する。とりあえずはあらくても会議の資料を一通り最後まで作ってみる。速く作れば時間的余裕もあるので、もう一度その修正や改善に多く時間を割くことができる。必要なデータや論理の欠陥に気付くことができる。あるいはまた最初から考え直すことも可能であろう。一度、一通りやっておけば、どんなところに気を付ければよいかも経験的にわかるため、やり直しても一回目以上のスピード感で二回目をやり終えることができる。徐々により質の高い成果物へと変えていくことができる。このように高速化による質の低さという問題点は継続と反復によって改善される。この原動力となる前進感を生み出すのが高速化であり、速さなのだ。

 

 

 「速さは全てを解決する」

こうした高速化による生産性の向上の具体的な取り組みについて以下の書籍で紹介されている。メモ書き、単語登録や仮説思考などの強力なツールを最大限に生かすというものだ。抽象論や単なるマインドセットの解説に終わらず、具体的に読者がとるべき行動まで言及されている。「単に読んだだけ」には終わらない点が素晴らしいと思うのでぜひ読んでいただければ、と思う。

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

 

 

 

まとめ

高速化によって生まれる前進感がやる気を高める。そして、そのやる気さえあれば継続的に成果物の改善作業に取り組むことができ、徐々に質の向上を可能にする。速さと質は対立するものでなく、両立可能なものなのだ。

 以上